いつから自分のことを「わたし」を呼ぶようになるの?
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
昨日、ベビーシッターは、自分のことを名前で呼ぶ人が多い、という記事を書きました。
その記事は、こちら
そこでも書いたのですが、そもそも
子どもって、いつから自分を「わたし」「ぼく」などと呼ぶようになるのでしょうか?
自称詞と対称詞
子どもたちは、いつから「わたし」と言うようになるのか、論文を調べていたら、この言葉が出てきました。
そこで、まず、言葉の定義をまとめてみたいと思います。
自称詞
話す人が自分自身に用いる言葉。 つまり、話す人が自分をどう呼ぶかを表したものが自称詞。
対称詞
話す人が、相手に対して用いる言葉。つまり、話す人が相手をどう呼ぶかを表したものが対称詞。
ちなみに、上記以外の三人称代名詞で表現できるものを他称詞と呼ぶそうです。
(鈴木孝夫.(1982).「自称詞と対称詞の比較」参照)
いつから「わたし」(自称詞)を使えるようになるの?
ずばり3歳すぎからだそうです。
もちろん、個人差はあるでしょうが。
それがわかったのが、「幼児期の自称詞使用に関する実態調査 」という論文です。
これは、2015年に長野市で実施された調査結果について書かれています。
その中に、以下のことが紹介されていました。
「3 歳を過ぎると女児には大 きな変化はみられないが、男児の場合には『ぼく』『オレ』などさまざまな自称詞の使い分 けがみられるようになる」
(西川由紀子 (2003) 子どもの自称詞の使い分け:「オレ」という自称詞に注目して 発達 心理学研究より)
確かに男の子のほうが、「ぼく」「おれ」と使うケースが多い気がします。
そして、女の子が自分のことを呼んでいても違和感が少ないかもしれません。
調査結果でも、自分のことを名前で呼ぶのは、女の子が多い、ということが明らかになっています
女の子は、自分のことを名前で呼ぶ子は、年長で、62.8%
一方、男の子は、32%
約半分です。
言葉の発達は、女の子のほうが早い、と言われますし、精神年齢も女の子のほうが高い、と言われるなか、
この結果は、とても興味深いです。
その理由として、男の子は、「ぼく」「オレ」など呼び方がいろいろ選べるのに対して、女の子は、「わたし」以外、あまり選べないから、とも書かれていました。
TPO
自分を「わたし」「ぼく」と呼ぶようになることは、成長の証であり、大人への意識の芽生えだとも考えられています。
ですが、「わたし」を使うようになると、名前で呼ぶことがなくなるというわけでもないようです。
というのも、相手が親のように親密であるか、という距離感や相手との関係性、どういった場面なのかで、使い分けているからです。
ですので、どの場でどの呼び方がふさわしいのか、ということを体験していくことは大切なのでしょう。