保育中のマスク着用について
こんにちは。
親子のハッピーライフを応援するベビーシッター研究家の参納(さんのう)です。
保育園では、多くの子どもたちが集団で生活します。冬場は、インフルエンザ、ノロウィルズ、ロタウィルスなどの感染症が流行することが多くなります。
そこで、保育園では、これらの感染症が広がらないように、対策をすることが求められています。
さまざまな感染症対策がありますが、今回は、保育者のマスク着用について考えてみたいと思います。
マスクを着用してはいけない園
以前、ある保育者向けの研修で講義をさせていただいたとき、ひとりの受講生から、「保育中にマスクを着用してはいけないのでしょうか?」と質問されたことがあります。その方のお姉さんが保育園に勤務していて、そこでは、マスクを着用してはいけない、というルールがあるとのことでした。
私自身、このようなルールの園で勤務したことはありませんでした。マスクの着用に関して、ルールがある園に勤務したことがなかったため、びっくりもしました。しかし、マスクの着用に関しては、さまざまな価値観があるのが実際のところです。
国のガイドラインでは、どう定められているの?
保育園における感染症対策については、厚生労働省が出している「保育所における感染症対策ガイドライン」を参照するのがいいでしょう。
このガイドラインの「咳エチケット」という箇所で、『咳やくしゃみを人に向けて発しないようにし、咳が出る時は、できるだけマスクをする。』と記載されています。
つまり、マスクの着用は推奨されていると考えていいでしょう。
なぜ、マスクを着用してはいけない、という園があるのでしょうか?
理由は、さまざま考えられます。
1.月齢の低い子どもたちは、保育者がマスクを着用すると、泣いてしまう場合がある
この経験をされたことのある方も多いでしょう。障害のある子どもも、マスクを嫌がる場合があります。子どもが安心して過ごせる環境ではなくなる、という視点から、マスクは、なるべくしないように、と考える人も多いでしょう。
2.マスクをすることで顔の表情が伝わりにくい
ある先生が、「子どもが顔を描けるようになった頃の顔には、目と口しかないですよね。これは、目と口から表情を読み取っている、という証拠です。だから、口を隠すと情報の半分が失われてしまう」とおっしゃっていました。このことからも、伝わりにくくなることがわかります。
3.声が通りにくい
大人数の子どもたちに伝わるように、大きな声ではっきりと言う必要があるにもかかわらず、マスクがあることで、音量も下がり、不明瞭になってしまいます。
このように、さまざまな理由からマスクを着用しない、という園もあるようです。2016年に発表された論文の調査結果で、「原則的にマスクをしないという園」は、3%と少数であることが書かれていました。一方、75%の園では、特に決まりがない、ということでした。個々の保育者の判断に任せられていることが多いようです。
みなさんの勤務されている園では、いかがでしょうか?
私のマスク着用に対する考え方
私自身、保育中にマスクをすることも多いです。咳が出るときは、エチケットとして行います。自分が感染源になることは、避けたいと思っているからです。
一方、自分自身が感染するリスクもあるわけです。自分が感染して、他の子どもにうつさないようにしたいと思っています。マスクが感染予防にならない、という考え方がありますが、私自身、保育中の感染予防として着用することがあります。
なぜ、感染予防にマスクを活用する理由は、二つあります。ひとつ目は、子どもとの距離が近い保育現場で、子どもの月齢にもよりますが、子どもが咳やくしゃみをしたら、その飛沫がダイレクトに顔にかかってしまうことが多々あるからです。もうひとつは、無意識に鼻や口を触ってしまっても、マスクがあれば、直接触れることがないからです。
まとめ
ここまでお読みいただき、みなさんは、どう思われましたか?
ぜひ、厚生労働省から出ている「保育所における感染症対策ガイドライン」を参考にしながら、目の前の子どもの最善の利益を考えて、マスクを着用すべきかを考えてみてくだしあ。