保育所保育指針って、何?
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
最近、認可の保育事業に関わる保育者向けの研修の講師をさせていただくことがあります。
研修の際にもお伝えすることなのですが、認可である保育事業は、訪問型、少人数に関わらず「保育所保育指針に準ずる」と定められているのです。
「保育所保育指針」って?
来年度から改訂される、この「保育所保育指針」
保育業界にいれば、耳にしたことがあると思うのですが、一般の方には馴染みがないかもしれません。
いったい、何なのでしょうか?
一言で言いますと、保育所保育のガイドラインとして制定されたものです。
保育の質を一定に保つために作られたもので、行うべき保育内容など基本的なことが書かれている「バイブル」的なものです。
保育所での集団生活について、書かれている内容ですが、居宅訪問型保育などのマンツーマン保育でも、こちらに準ずる必要があるのです。
まさに、国の保育方針が書かれたものと言っても過言ではないでしょう。
ですので、認可外、私的契約の保育事業に関わっている方、保護者の方にもぜひ読んでもらいたいものです。
4回にわたる改定
この「保育所保育指針」は、昭和 40 年に初めて制定されて以降、平成 2 年、平成 12 年、平成20年、そして平成29年と4回改訂されています。
(内閣府資料より PDF)
なぜ、改定されるの?
はっきり明示されている資料を見つけられなかったので、私が思う理由をまとめてみました。
1.社会の変化
女性の社会進出が、一番大きな変化ではないでしょうか。
その他、核家族化なども大きな変化のひとつでしょう。
2.それに伴う保育所、保育士の役割の変化
単に保育に欠ける子どもの保育を行う、だけでなく、保護者支援も行うようなり、家族を包括的にサポートする役割が望まれてきているように思います。
3.幼稚園教育要領の改訂
3歳から就学前の子どもを対象としている店からも、幼稚園教育要領との連動性を大切にされているようです。
4.幼児教育、保育への認識の変化
子どもの教育において、早期の教育が、その後の人生に大きく影響を与えるというエビデンスが出始めました。
乳幼児期の教育をしっかりすることが、ひいては国力をあげることだとも考えられてきたように思います。
5.保育の質の担保
4も関係しますが、保育の質、保育士の質を上げるために、計画についても、どんどんバージョンアップしています。
また、評価についても、より詳しく書かれるようになっています。
まとめ
保育所保育指針について、なんとなくご理解いただけたでしょうか?
歴史を紐解いてみていくと、「保育」がどう、捉えられてきたのかが見えてきます。
子どもに関わる全ての人に一度読んでもらいたいものです。
保育園に預けていらっしゃる方も、読んでいただければと思います。
幼稚園教育要領も併せて読んでみると、幼稚園と保育園のどちらにしようか、と迷われる方のヒントにもなりそうです。
参考資料:変遷について
どのような変遷を遂げてきたのかを簡単にご紹介したいと思います。
わかりやすくまとめられたものがありましたので、そちらを掲載してみます。
こちらより抜粋