【100人インタビュープロジェクトVol.13】マッチングサイトで働く利用者 松田絵理さん
こんにちは。
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
100人インタビュープロジェクト13人目は、
マッチングサイト(株式会社キッズライン)で働きながら、利用者でもある
松田絵理さん
今回は、利用者としての視点で、インタビューにお答えいただきました。
マッチングサイトのことをよく知っていながら、利用するのって、どんな感じなの??
というあたりも伺いました。
家族構成を教えてください。
「同い年の夫と娘(2歳2か月)がいます。
そして、5月に第2子を出産予定です。」
お腹の赤ちゃんも、今回のインタビューを聞いてくれていたかな、と思うと嬉しいです。
転勤族でもいらっしゃるとのことでした。
急に転勤が決まり・・・そんな方にも、松田さんのお話は、役立ちそうですね。
ベビーシッターを利用した事例を教えてください。(いつ、子どもが何歳のとき、どんな理由で、会社は、どうやって探しましたか?)
「2017年1月に娘を出産しました。
2か月半までは横浜の実家で生活していました。
その後、自宅の千葉に戻り、3か月目にはじめてベビーシッターを利用しました。
寝たいのに眠れなかったり、実家では賑やかだったのに、娘と二人になり寂しくなったり。
転勤族なため、千葉に土地勘もなく・・・
パパの帰宅は、夜19時~20時なので、一般的だと思いますが、産後、一日が長く感じました。」
転勤族の方ならではの部分も見えました。
土地勘もなく、赤ちゃんと二人っきり。とても寂しかったことでしょう。
「初めて利用した日は、日中に3時間頼みました。
寝たい、と思っていたのですが、大人としゃべると楽しくて、最初の1時間くらいシッターさんと話をしました。
両手があくって、こんなに自由なんだ、と感動した記憶があります。
抱っこしてくれるだけで、こんなに楽なんだ、と思いました。」
大人としゃべることが、こんなに楽しいなんて!
その気持ち、とてもわかります。
私も、病院内の託児所で働いていたとき、子どもが少なかったので、ほぼマンツーマン。
まるで、家事のないママのような生活を送っていたことがあります。
このとき、一人暮らしだったので、やたら大人としゃべりたい欲求が強かったです。
また、社会から切り離された感覚もありました。
精神衛生上、大人としゃべることって、とても大切だと思うのです。
産後に、ベビーシッターを利用された松田さんは、すばらしい決断だったと思います。
松田さん、最初からベビーシッターの利用に不安を持っていなかったわけではないそうです。
妊婦時代に、今お勤めのマッチングサイト「キッズライン」でインターンをされていたそうです。
きっかけは、経沢代表の本を読まれたことだそうです。
「インターンをしたことで、ベビーシッターを利用することに対するハードルが下がりました。」
ベビーシッターのことを理解することは、利用へのハードルを下げることにつながっているのかもしれません。
よく知ることで、漠然とした不安はなくなっていくのでしょうね。
ベビーシッターを利用するにあたり、周りの方は、どのようは反応でしたか?
「夫には、妊娠中から産後ドゥーラを頼みたいと伝えていました。
ドゥーラさんがくれたパパ向けの冊子読んだ夫は、必要があったら、使っていいよ。と言ってくれていました。
ただ、金額を言うと、いい値段だね。と言われました。」
↑ 産後ドゥーラさんがくれた産後白書
確かにいい値段ですよね。
でも、必要があったらいいよ、と言ってくれる夫さんは、優しいですね!
ご両親は、あなたが使うの?という反応だったそうです。
「バリバリ働いている女医さんとかが使うイメージを持っていたようです。
ですが、否定はされませんでした。
今は、いついつ来てよ、というと、ベビーシッター頼みなさい、と言われます。」
実は、松田さんが子どもの頃に家政婦さんがお迎えに来てくれていたそうです。
専業主婦だったお母さまは、松田さんが5歳のときに、出産をされました。
このとき、近所の方に紹介してもらった家政婦さんがお母さまのかわりにお迎えに来てくださったそうです。
紹介してくれた人だったので、お仕事っていう感じはなかったのかもしれませんね
「ベビーシッターという横文字より、家政婦さん、お手伝いさんのような言葉のほうが受け入れやすい世代なのかもしれません。」
確かに、おばあちゃま世代にとってベビーシッターという横文字は、身近に感じにくいかもしれません。
ご両親に説明するときは、子育てのお手伝いさんみたいなもの、と説明すると伝わりやすいかも!!
「義理の母は、知らない人に預けるの?という反応でした。
ですが、義理の母も仕事をしていて、手伝えないし・・・ということで、代わりに近所に住んでいる義理の母のお姉さんが手伝いに来てくださったことがありました。
孫を知らない人に見てもらうのは、嫌だったんじゃないかな、と思います。」
なるほど、知らない人、というところに不安を感じる方も多いですよね。
最初は、知らない人だけど、お願いするために会うことで、知っている人に変わっていくので、そのあたりも、何とかクリアできそうですね。
その後も、よく利用されていますか?
「利用した当時は、千葉に0歳児を見れるシッターさんがあまりいなかったので、茨城など遠方から来てもらっていました。
この金額は、毎週頼めないな、と思いました。」
サイト運営側の方でも、そう思われるんだな、とちょっぴりびっくりしました。
ただ、正直なお話、とてもありがたかったです。
「平行して、ファミサポの登録もしました。
運よく、近所にサポーターの方が見つかりました。
保育園入園まで、3人くらいをローテーション(うちファミサポさん1人)でお願いしていました。」
習志野市は、1時間700円で利用できるそうです。
これは、良心的な金額ですよね。
ベビーシッターのように自宅に来てくれるのではなく、相手のお宅へ連れていく手間はありますが、いい人に巡り合えるとラッキーだと思います。
ファミサポさんも利用されてみて、ベビーシッターとの違いをどう感じられましたか?
「ファミサポは、市役所に登録しに行き、手書きの書類でした。
予約も電話、会員証もお手製、レポートも手書きのもので・・・とにかくアナログだな、という印象でした。
ファミサポは、ボランティア感があると思います。
ご近所さんという感じで、きちきちっとしていない、いい意味での適当さが心地よかったです。
例えば、ベビーシッターだと帰宅時間に遅れたらシッターさんの次の仕事が・・・といったプレッシャーがありますが、ファミサポだと少しくらい、いいわよーと言われるというゆるさがありました。」
このご経験は、ベビーシッター選びにも影響がありましたか?
「はい。最初は、保育士資格を持った若い人をお願いしていましたが、資格の有無は問わず、子育て経験がある人にお願いするようになりました。
子育て経験は外せない条件として、あとはファミサポなどの経験があるいいなという目線でシッターさんを探すようになっていました。」
特に子育てが落ち着いたおばちゃん世代は、細かいこだわりがないので、まるっとお願いできる人がいいのだとか。
そういう意味で、おばちゃん世代は、ある意味、おせっかいとも思われる愛情たっぷりの接し方をしてくださる方、多いので、相性ピッタリなんでしょうね。
確かに、子育て経験があって、ベビーシッターをされている方って、子ども、人が大好きで、サービス精神旺盛な方が多いと思います。
ある意味、保育を仕事としてやってきた人にはない、いい意味でのゆるさを持ち合わせているのも事実だと思います。
松田さんのように、どんなシッターさんがいいかを明確にされることは、より安心して満足できる使い方をする秘訣なのでしょう。
ベビーシッターを利用してよかったことは、何ですか?
「娘が人見知りしないことです。
また、簡単な家事もやってくださるので、野菜やお肉の下処理をしてから保存すると便利だよ、などとアドバイスをくれるので、家事スキルがあがったことです。」
たくさんの人に関わってもらうのは、娘さんにとっても、とても貴重な体験だったのですね。
「娘のことをかわいい~ってかわいがってくれるのは、嬉しかったです。
100%受け入れてもらえる経験は、娘にとって人間形成のうえで、重要な時間だと思います。」
↑シッターさんと絵理さんの娘さん
↑シッターさんと絵理さんの娘さん
松田さんがおっしゃるとおり、0-2歳児にとって、100%受け入れてもらえる経験は、とても重要です。
この時期、基本的信頼感が育つと言われています。
この基本的信頼感は、人への信頼感と自分への信頼感の2つあります。
たくさん愛され、受け入れてもらう体験は、人への信頼感が育ち、その後の人生に大きく影響を及ぼすのです。
ベビーシッターを利用して、印象に残っているエピソードは、ありますか?
「しばらくシッターを頼まない期間がありました。
そんなとき、料理上手なシッターさんが、気にかけてくれ、仕事とは関係なく、料理して、自宅までおすそわけしてくださったんです。
ご自身の娘さんと重ね合わせて心配りしてくれることが、とても嬉しかったです。
また、娘の誕生日月に今までにお願いしたことのあるシッターさん達がメッセージをくれたのも嬉しかったです。」
ベビーシッターを利用する立場として、今後どんなサポートがあればいいと思いますか?
「会社の福利厚生があるといいな、と思います。
転勤族なので自治体だと自治体ごとに手続きや利用条件がかわってくるので、どこに住んでも利用できるものが嬉しいです。」
なるほど、転勤族の方ならではの視点ですね。
ちなみに、松田さんが働かれているマッチングサイトでも、2018年度から1時間あたりの補助が出るようになったそうです。
今、子育てしている人に、メッセージをお願いします。
「とりあえず、1回使ってみてほしいです!
自分でやらなくちゃいけないタスクがひとつ得減ると、こんなに心の余裕が出てくるんだ、と実感してほしいです。
日常に溶け込ませるまでいかなくても、週1のぜいたくのような感覚で使ってもらうのもいいかな、と思います。
例えば、子どもがいない時代に使っていた飲み代などをベビーシッター代に回して、自分のリフレッシュに使ってほしいです。」
確かに、今まで自分に使っていた費用をベビーシッター代にするのは、いいアイディアですね。
松田さんは、本当にベビーシッターの良さを体感され、今利用する必要がなくても、いざという時にベビーシッターがあることを思い出してもらいたい、と友人にもオススメされているそうです。
そのエネルギー、すばらしくて、見習いたいな、と思いました。
まとめ
マッチングサイトで働く人でも、高いと思われること、ファミサポを平行して使われていたことを知り、とても勉強になりました。
また、転勤族の方にとっては、自治体の補助よりも、福利厚生の充実を望まれているというのも、新たな発見でした。
松田さんのベビーシッター代を捻出方法がすばらしいんです!
とても参考になると思うので、ご紹介しますね。
「ストレス発散費として月4万円とっています。
ここから、ベビーシッター、家事代行、タクシー代などに使っています。娘が生まれる前は飲みに行ったり、仕事帰りにふらっと買い物をしたり月4万円以上ストレス発散にお金を使っていたと思うんです。そのお金を、人の手を借りることに費やすと考えれば高い出費ではないと気付きました。
これによって、心が健全に保てています。」
すばらしいです!!
ママが心が健全でないと、そのしわ寄せが子どもにいってしまいますよね。
心を健全に保つために、ベビーシッターに限らず、自分が必要としているものに使う、という点も素敵だなと思いました。
私も、マネして「ごきげん費」として予算計上することにしました~(笑)
ぜひ、みなさんも、自分をごきげんに保つためにベビーシッターを使ってみてくださいね。