映画「未来のミライ」 赤ちゃん返りの乗り越え方
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
7月20日から公開されている映画「未来のミライ」
妹が生まれたことによる上の子の心境と変化を、どう描いているのかが気になり、観に行ってきました。
個人的には、細田 守監督の映画は、好きなほうです。
家族のつながりをテーマにしたこの「未来のミライ」
命が繋がれて、今ここに生きてるんだよね、そんなことを意識する映画でした。
(ちなみに、個人的には、★★★でした)
その他、ベビーシッター的視点で感想をまとめてみました。
すきくない
主人公は、4歳の男の子 くんちゃん。
妹が生まれてきたけれど、自分を見てもらえないことから、妹のみらいちゃんを「すきくない」と言います。
電車でたたいたり、顔にビスケットをのせたり、いじわるもします。
このあたりは、よくあることですよね。
私にも妹がいるのですが、ベビーベッドに寝ている妹を手でぱちんとたたいていたそうです。(まったく覚えていませんが・・・)
確かに、自分のことを見てくれなく、妹の方がかわいいんだ・・・
そんな寂しい気持ちになるようです。
そして、妹の世話で忙しくしている親にかまってほしくて、わがままを言い、大泣きします。
また、パパではなく、「ママがいい~」とも言います。
これも、よくあることですよね。
急にライバル出現で、揺れる気持ちが「すきくない」の一言にぎゅっとまとめられている感じです。
乗り越え方
今回のくんちゃんは、親の対応で、この「すきくない」気持ちを乗り越えたというより、未来のみらいちゃん、その他の過去の家族とのふれあいを通して乗り越えていきます。
ですが、これは映画なんです。
冒険ファンタジー的な作りなので、映画としては成立するのでしょうが、現実では、どうなのかしら?と思います。
子ども一人で、「すきくない」気持ちを乗り越えることができるのでしょうか?
くんちゃんのように、オーバーに「すきくない」気持ちを出す子もいれば、出さない子もいます。
出さないからと言って平気なわけでもないと思うのです。
親に遠慮して出さないだけかもしれません
私は、どんな反応の子にも、上の子と丁寧に向き合ってもらいたいな、と思うのです。
ただ、これをしなくても、そのうち兄弟らしくなっていきます。
ですが、潜在意識では、「どうせ、妹の方がかわいくて、私はどうでもいい子なんだ」
と刷り込んでしまうケースもあります。
これは、目に見えてわかりません。
だから、やっかいなんですよね。
その後の人生でも、ずっと「私はどうでもいい子」という刷り込みから逃れられず、苦しむことになるのです。
ベビーシッター的おすすめ方法
やはり、上の子とじっくり遊ぶ時間、一人っ子のように親を独占できる時間を作ってあげることが大切だと思います。
そのために、下の子をパパやご両親に頼んでもいいでしょう。
ですが、赤ちゃんだと、パパにいきなり長時間は、難しいもの。
映画でも、パパにミルクの飲ませ方をレクチャーするシーンがありますが、教える必要があります。
実は、この作業が時間がかかり、ストレスがかかるもののようです。
ただ、いろいろ教えることも大切なので、ゆっくりやってもらいたいと思うのですが、時々は、ベビーシッターのような第三者を利用することをおすすめします。
そして、ある程度、上の子が落ち着いてきたら、上の子を預けて、下の子との時間をとるというのもいいでしょう。
なんとか時間がたてば、それなりになっていくこともありますが、子どもの心のケアも考えてあげてくださいね。