【100人インタビュープロジェクトVol.21】地域に根差したマッチングサイト「オムニシッター」の谷口さん
こんにちは。
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
100人インタビュープロジェクト21人目は、
株式会社 オムニで
地域に根差したマッチングサイト「オムニシッター」事務局を担当されている
谷口 隼人レッドフォードさん。
名古屋を中心とした地域密着型のマッチングサイトのことをいろいろ伺えました!
なんと、谷口さん自身もシッターとして現場にも出られているとのことで、シッターに寄り添った想いも伺えました。
2017年12月13日にオープンされたとのことですが、サイトを始められた経緯を教えてください。
「弊社は、システム開発で創業し、人材派遣を本業としている会社です。
登録スタッフが数千名います。
働きたい時間に短時間に働きたい、というニーズがある一方で、案件が決まっているのに、子どもの病気、保育園などの事情で休む方がいました。
そんな中、新規事業立ち上げの話が出て、マッチングサイトを始めることになりました。」
人材派遣で登録される方に看護師さんが多いこと、障害児向けの放課後等のデイサービスも行っていたことも、後押しとなったそうです。
そして、3歳、8歳のお子さんのパパである谷口さんが、リーダーとして事業を引っ張っていかれることになったそうです。
パパさんが、引っ張って行ってくれるの、すばらしいですよね!!
名古屋中心とした愛知県、岐阜県、三重県とされていますが、県によってどのような特徴がありますか?
「実際、契約数は、名古屋市内が90%、他のエリアが、残り10%です。
名古屋では、利用者の口コミが大きく、マッチングサイト利用した、などの話が広がりやすいようです。
ですので、名古屋では利用しやすい雰囲気ができているように感じます。
岐阜、三重に関しては、まだまだ浸透していないです。
マッチングしにくい、という現状もありますが、もともと住んでいる方が多いので、祖父母、親族が近くにいて、利用しなくてもいいケースも多いようです。
また、地域で子育て、見るべきだと思っている人もまだまだ多い印象です。」
やはり、名古屋とその他のエリアでは、違いがあるのですね。
確かに家族構成なども影響がありますよね。
頼る人が近くにいない人の多い首都部では、広がりやすいというのは、東京を含め、名古屋なども同じなのだな、と思いました。
保護者ニーズとシッターの働きやすさ、両方を実現するうえで大切にされていることは何ですか?
「満足度を高めるためには、使いやすいサイトにすることが第一です。
他に、マージンを取りすぎないことも大切にしています。
弊社では、シッター、保護者 10%ずつのマージンにしています。」
確かに使いやすいサイトであることも、利用しやすい価格、ということも、大切ですね!
話を進めていくと、とても手厚く保護者にも、シッターにもサポートされていることを伺い、10%のマージンは、安すぎる!という印象です。
安心安全を大切にされていらっしゃいますが、面接で採用時に一番重点をおいていらっしゃる項目は、何ですか?
「経験値よりも、人間性とコミュニケーション力に重点をおいています。
話をしながら、子どもに対しての想い、考え方、距離感をしっかりみるようにしています。」
必ず対面での面接をされているとのこと。
肌感覚で、人格などを知りたいからだそうです。
やはり、対面でしか感じられない、人柄というのもありますよね。
「面接で、どこまでの研修が必要かを見定めて、初回に研修を行っています。」
個別に丁寧に対応されているのですね。
手厚いサポートがすばらしいな、と思いました。
シッターさん向けに定期的に研修などをされていますか?
「定期的には、学べる環境を作っています。
強制参加ではなく、シッターさんのニーズを聞いて、テーマを決めています。
最近ですと、障害を持った子どもに対しての距離感、接し方など対応方法を学ぶ研修を行いました。」
この研修とセットで、座談会をされているとのことです。
「シッターのみなさんから、「「次は、いつ?」と聞かれます。
ニーズは、高いです。
園ではないので、シッターさん同士が会う機会が少ないので、座談会では、普段の悩み、ひやりはっとの共有などがされています。
また、ベテランシッターさんが新米シッターさんに教えていたり。
シッターさんたちのモチベーションが上がってくるのを感じます。」
↑座談会の風景
その座談会のお写真を頂戴したのですが、とても和やかな雰囲気が伝わってきますよね。
マッチングサイトとはいえ、事務局とシッターさんたちの距離がとても近いのだな、と感じました。
思わず、次回の研修、座談会に私も参加させてください!とお願いしてしまったくらいです。
何かあった場合は、相互での解決をする必要があると思いますが、マッチングサイトとして、万が一の際、どこまで介入したりするのですか?
「トラブルになった際、かなり積極的に関わろうと思っています。」
何かあれば、かけつけられるようにとも考えられているとのこと、マッチングサイトなのに?とびっくりしてしまいました。
しかし、すばらしいことですよね。
「今後は、より地域に根差した安心安全を第一に差別化を図りたいです。」
と谷口さん。
マッチングサイトは、どこも全国展開をしていくものだ、と勝手な思い込みがあったのですが、地域密着で、顔が見える範囲でのマッチングサイトも素敵だな、と思いました。
私も地域密着のマッチングサイトなら、やってみたいな、と思ってしまいました。
ベビーシッターとして現場に出られているとのことですが、きっかけは、何でしたか?
「きっかけは、急な保護者ニーズに応えるためでした。
今、ご希望に添えるのが私だけで、と説明したところ、「ぜひ来てほしい」と言われました。
それで、シッター登録したんです。」
↓谷口さんのプロフィール写真 笑顔が、とっても素敵です♪
その後も、そのご家庭はリピートしてくださったそうです。
「5歳、8歳の兄弟で、大人の男性と遊ぶことが少なかったみたいで、楽しんでもらえたみたいです。」
今も、2か月に1度程度シッターとして現場に出ていらっしゃるとのことです。
「シッターの研修にも関わっているのですが、現場での話ができ、ベビーシッターならではの注意点を伝えられるようになりました。」
現場に出たからこそわかることって、本当に多いですよね。
シッターさんも、立場を理解してくれる人の存在は、とても心強いことでしょう。
「私の母、妹、妻もシッターをしているんです。」
なんと、谷口さん以外に、ご家族もシッターとして活躍されているのだとか!
「親類だと、シッターさんが管理側に伝えないようなことも聞けるので、参考になっています」
徹底して、サイトの使いやすさ、安全性などを追求されようとする姿勢を感じ、感動です!!
現在のベビーシッター業界をどのようにみていらっしゃいますか?
「理想とする社会の10%くらいという印象で、今後さらに広がる可能性があると思っています。
保護者が利用しやすくするために、公的なお金を国、自治体に投入してほしいです。
教育という観点からも、保護者の育児負担軽減、働く親支援にという観点からも、ベビーシッターは、とても有効だと思っています。」
同感です!!
まだまだ、広がる可能性、大だと思います。
私も、安心して気軽にベビーシッターを使える社会になることを目指しているので、同じ想いの方がいることは、とても励みになります。
今後、やりたいこと、検討されていることはございますか?
↑事務局メンバーのみなさま
「私たちは、安心安全を第1に差別化をしていきたいです。」
やはり、1つでも事件があると、危ない!と思われますものね。
事故が起きないような努力を自社だけではなく、同じマッチングサイトなどとも協力していけるといいのではないか、とも語ってくださいました。
ビジネスだけれど、命を預かる仕事です。
そのあたりのことをとても真剣に考えていらっしゃることが伝わってきました。
私も、業界で手をつなぎ、ルール決めをしたり、国などに政策提言をしたりできるといいな、と思っています。
まとめ
谷口さんとお話して、マッチングサイトのイメージがある意味、がらりと変わりました。
単なるプラットフォームではないケースもあるのだな~と。
「何かあったら、かけつける」
この想いが一番の驚きでした。
一口にマッチングサイトといっても、本当にいろいろですね。
マッチングサイト、派遣型のベビーシッター会社などいろいろな選択肢がありますが、どこまで、どのようなサポートがあるのか、保護者、シッターとの距離感の違いも、それぞれの独自性につながっているな、と思いました。
マッチングサイトも奥深いです!