~先生の役割~「みんなの学校」映画から学んだこと
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
映画「みんなの学校」を観てきた感想、後編です。
テーマは、先生の役割。
先生とは
どんな役割を担っていると思われますか?
教育指導要領にのっとり、必要な学力を身に付けさせることでしょうか?
教育現場にそぐうよう、子どもたちを導くことでしょうか?
インクルーシブ教育
大空小学校は、インクルーシブ教育がうまくいっていると言われます。
インクルーシブ教育とは、
多様性を認める教育のことです。
障害の有無や、家庭の状況などは、子どもそれぞれ。
それを認める、ということです。
大空小学校のように、どんな子どもにも居場所がある、ということです。
ですが、実際、障害を持っている子と一緒に勉強して大丈夫?
大人としては考えてしまうこともありますよね。
授業中、立ち回る子がいるだけで、排除しようとするのが、今の現状。
悲しいかな、人に迷惑をかける子、学校を乱す子は、迷惑と思っているのです。
この意識こそ、インクルーシブ教育がうまく進まない原因なのではないでしょうか。
子どもたちから教わったこと
木村先生がお話くださったエピソードで、とてもハッとさせられるものがありました。
他の学校から赴任してきた先生の話です。
みんなが勉強している中、マアちゃん(言葉を持たない6年生)が、声を出しながら教室の中を歩き始めました。
先生は、マアちゃんに
「しーっ」と言ったそうです。
ですが、他の子どもは、先生に、
「なんで、しーって言うの?」と聞いたそうです。
先生は、
「みんなが勉強しているのに、うるさいでしょ」と答えました。
子どもたちは、納得できず、
「なんで?」
とたずねたそうです。
「先生は、僕たちがやる気になって、先生に何か言ったら、しーって言うの?」
子どもたちにとって、マアちゃんは、何かをやろう!と意欲的になったとき、立ち歩く、ということを知っているのです。
だから、それを止めようとする先生を理解できなかったんです。
それくらい、マアちゃんのありのままの姿を受け入れているんですね。
私も、子どもの想いを無視して注意していることはないだろうか、とはっとさせられたエピソードです。
先生は、通訳
ですが、子どもたちだけで、こんな素晴らしいクラスになっていったのでしょうか?
確かに子ども同士で作っていった部分もあるでしょう。
ですが、トラブルが発生したとき、困り事があったとき、どうしたらいいのか、
先生が、子ども同士が繋がれるように通訳の役割をしたからだと思うのです。
マアちゃんのエピソードで言うと、先生は、マアちゃんが今、困らないようにするのではなく、周りの子とどう繋がれるかを通訳しながら、クラスが出来上がっていったのでしょう。
想像ですが、マアちゃんが立ち歩くのイヤ!という子がいたら、「なんで、イヤなん?」
「マアちゃんは、なんで立ち歩くんやと思う?」など話をされたのではないかと思うのです。
先生の役割とは、何かを教える、させるのではなく、子どもたちが考え、前へ進むことをそっとサポートすることなのでしょう。
これは、ベビーシッターも同じだと思いました。
子どもと関わる仕事をするものとして、とても勉強になるエピソードでした。
まとめ
まさに、子どもと先生と共に作り上げられていますよね。
先生が、何かをさせよう、ということもなく。
一人一人が大切にされています。
これって、学校だけに限らず、家庭でも、職場でも言えることだと思います。
先生であれ、上司であれ、親であれ、コントロールしたり、されたりの関係は、どこかで無理が生じるものです。
その関係ではなく、相手を尊重する関係でいられるように心がけたいと思います。