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2019-07-16

「ちっちゃいこえ」アーサー・ビナードさん講演会に参加して

こんにちは。
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。

昨日は、紙芝居「ちっちゃいこえ」の脚本を書かれたアーサー・ビナードさんの講演会に参加してきました!

↑昨日いただいたリーフレット

紙芝居「ちっちゃいこえ」は、丸木さんご夫妻による「原爆の図」から絵を選んで切り取り、さらに工夫されて作られたものです。

そう、戦争についての紙芝居なのです。

この講演では、前半は、紙芝居の魅力。後半は、この作品の作成秘話などを伺えました。

紙芝居の魅力

紙芝居は、日本独自のもの

紙芝居って、日本独自のものだそうです。

アーサー・ビナードさんが、来日され、23歳で、初めて、紙芝居に出逢われたそうです。

私たちにとって、紙芝居は、絵本と同様、子どもの頃に身近なものでしたよね。

ですので、日本だけのものだと知って、びっくりしました!

紙芝居の歴史

1931年~飴売り行商の手段だったそうです。

そして、1930年代は、国策紙芝居といって、国策を広めるために、紙芝居が活躍したそうです。

戦後などは、街頭紙芝居が人気となったそうです。

ちなみに、ウィキぺディアでは、さらに詳しい源流などについても記載がありました。

こちら

紙芝居の魅力

保育園勤務時代には、紙芝居を演じる機会もありましたが、マンツーマンのベビーシッターをするなかでは、ほぼ演じる機会がなくなりました。

ですので、今回の講演会で久しぶりに紙芝居に触れた感じです。

なんと、アーサー・ビナードさんが、「ちっちゃいこえ」以外にも2作品読んでくださいました。

「あひるのおうさま」

フランスの昔話だそうです。

王様が、あひるにお金を借りたり、あひるが、キツネ、川、ハチを飲み込んだり・・・

なんともハチャメチャなお話です。

しかし、アーサー・ビナードさんは、このハチャメチャなところが、紙芝居の魅力であるとおっしゃっていました。

「たべられた やまんば」

「3枚のお札」のお話です。

これも、まめになったやまんばを食べちゃうお話。

アーサー・ビナードさんは、常識を超えた面白さがある、とおっしゃっていました。

絵と演者がいること

紙芝居は、絵があり、演じる演者がいます。

読むのとは異なり、演じるわけですから、演じ手の雰囲気が伝わってきます。

そして、聴いている人たちとの空気感とまざりあって、一つの作品となっていくわけです。

そう思うと、なんとも奥深いですよね。

ですが、紙芝居は、誰でもが演じることができるように作られているそうです。

紙芝居「ちっちゃいこえ」の誕生秘話

アーサー・ビナードさんは、この紙芝居の前に絵本を作られていました。

「さがしています」

これは、原爆資料館のものをカタリベにして、書かれた写真絵本です。

これを書かれているときに、「原爆の図」に出逢われ、モチーフに話を作っていくことができるなら!と紙芝居にすることになったそうです。

「ちっちゃいこえ」のあらすじ

猫が語ります。

飼い主のこと。細胞のこと。

そして、8月6日に原爆が落とされたこと。

落とされたあと、細胞が、グレーになり・・・命を奪ってしまった。

でも、今、みんなの細胞は、動いている・・・

そんな命の尊さを細胞というものを通して伝えてくれています。

「ちっちゃいこえ」の子守唄のモデル

紙芝居の中で、じいちゃんが子守唄を歌います。

ねんねしたら、お土産買ってもらえるよ、という内容なのですが、そのお土産が、

なんと、機関銃と鉄兜なんです。

戦争時の生活を彷彿とさせるものですよね。

これ、実は、モデルとなった子守唄があるんです。

「戦線子守唄」

この唄のなかに、「鉄の兜と機関銃」という言葉が出てくるんです。

なんとも、すごい時代だったんだね、と切なくなりました。

戦争をどう伝えていくか

私自身、戦争を知りません。

ですが、戦争を二度としてはならないし、歴史を次の世代に伝えていくことは、とても大切だと思います。

私が、戦争についての記憶があるのは、小学生のとき、夏に学校で見た戦争映画。

主人公が、亡くなるシーン。今でも、強烈に脳裏に焼き付いています。

怖い、そんな想いが強く刻まれ、戦争について触れたくない、と思うようになりました。

そんな中、「この世界の片隅で」を見たとき、今と同じように、戦争中でも人々の生活があったことを知りました。

大変な日々を明るく生きる人々。

命、生きるということの大切さを実感できた気がしました。

そして、戦争について、少しづつですが、知ろう、と思えるようになってきました。

 

戦争のことを伝えるのは、恐怖心を植え付けることではなく、命の大切さ、尊さを伝え、戦争について、自分事として、考えていけるようにすることだと思うのです。

私は、ベビーシッターとして、子どもたちに、どう伝えていけるのか?

これからも、考えていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

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