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2019-01-22

【100人インタビュープロジェクトVol.4 前編】ベビーシッター会社代表の鈴木美里佳さん

こんにちは。
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。

100人インタビュープロジェクト 4人目は、
ベビーシッター会社mormor株式会社

代表取締役の鈴木 美里佳さん。

(↑社名 mormor(おばあちゃん)の語源の国でもあるスウェーデンでの一コマ)

実は、6,7年前からの友人であり、お仕事でもお世話になっている方です。。

時々、情報交換させていただいているのですが、今回、改めてインタビューさせていただき、ベビーシッター会社を経営する者としての苦悩喜びなど、共感できることが多々ありました。

盛りだくさんなので、前編、後編の2回に分けてお届けいたします。

まず、前編は、ベビーシッター会社を立ち上げられた経緯、想いなどを中心にまとめさせていただきました。

○ベビーシッター会社を立ち上げたきっかけを教えてください。

「2012年11月に設立。
ちょうど、息子が2歳のときでした。」

みりかさんは、もともとファミサポやベビーシッターを使われていたユーザーだったそうです。
どんな風に活用されていたのでしょうか?

「ファミサポは、0歳のとき、半年間、月―金で1回2時間程度で利用。
保育園の保育時間が短かったため、フルタイムで仕事をするために使っていました。
ベビーシッターは、飲み会など、リフレッシュで頼むことが多かったです。」

なんとも、上手に活用し、仕事も、家庭も、自分のこともバランスよくされていらっしゃったんですね。

利用されていて、どんなふうに思われていたんですか?

「助かったこともあるけれど、ファミサポは、融通が利かない点もあります。
また、面談をしなくてはならず、すぐに使えるものではなく、時間がとられました。
ベビーシッターに関しては、富裕層向けしかなかったので、一般的なサービスがあるといいな、と思っていました。

なるほど、利用者としての経験から立ち上げられたんですね。
きっとこの言葉を聞いて、そうそう!と思われた方も多いと思います。

そして、第三者の力をうまく利用されていて、すばらしいです!!
そんな風に、ママとしても一人の女性としても楽しめているのって、本当にかっこいいですね。

「私も、ワンオペ、フルタイムのママだったけれど、当事者としては楽しくやっていました。
人の手を借りると、仕事も充実し、プライベートも確保できるんです。
それを多くの人が利用できるといいな、ゆとりを持てるママが増えるといいな。と思っています。

それにしても、自分で会社を立ち上げられるなんて、すごいバイタリティですよね。

「若かったからできかも」そう笑っていらっしゃいましたが、若さって、本当にすばらしいですよね。

○ちなみに、今までのお仕事も教えてください。

「営業職で、外回りが中心でした。」

お仕事も楽しくされていたそうですが、いずれは「自分でやりたい」と思われていたとのこと。
会社にも、そのことを伝えられていたので、温かく送り出してくれたそうです。

人徳ですよね。
「自分でやりたい」ということって、もともと何か決めていたのですか?

「自分でやりたいと思った最初のものがベビーシッター会社だったんです。
実体験からニーズを感じたサービスを選んだので、地に足をつけてやれている感じです

実体験に基づいている、ということは、強みですね。

〇実際、立ち上げるにあたって、やったことは、何ですか?

全国保育サービス協会の研修を受けました。
また、同業他社さんのHPを見たり、リサーチしました。
やはり、ターゲットがアッパー層で、「ワンランク上の~」という文言が目立ちました。
そこをターゲットにしている会社は、たくさんあることを再確認したので、中間層に向けてやりたい、と思いました。」

お勤めしながら、準備をして、退職後、設立されたとのことでした。
すばらしいですよね。
やはり、準備は、大切ですね。

〇家族の反応は、いかがでしたか?

「実は、事後報告だったんです」

ええ!!!!!本当ですか??

思わず、そんな言葉を発してしまいましたが、登記をしてから、伝えたそうです。
すごいですよね。

私も、家族には、事後報告タイプなので、人のことは言えませんが(笑)

ご家族は、応援してくれる感じだったそうです。
夫婦、家族がそれぞれの人生を応援しあえるって、本当に素敵です!!

〇会社を立ち上げられてからのワークライフバランスは、いかがですか??

「子どもが小さかったの、思うように仕事に割けない・・・という気持ちがありました。
仕事が舞い込んでいるのに、1件も断りたくない。そんな思いもありました。」

最初は、ジレンマがあったんですね。
ある程度の制約があったとはいえ、今は、この働き方に満足されているそうです。

「会社勤めするより、子どもと過ごす時間、母親をやる時間が増えました。
仕事は、どこでもできるので、おうちでやっていると、通勤時間もないし、
おうちにいるから、”おかえり”と言えます。」

お子さんにとっても、いい環境ですよね。
ですが、みりかさん、家庭を大切にされる方なんだろうな、と思ったんです。
そのあたりを伺うと、

「家庭にさきたい、というところがあるかもしれません。
仕事人間でもないですし。
寝る間を削って仕事したくないと思っています。」

私も、寝る間を削ってまで仕事を!というタイプではないのです。
ですが、子どものいない分、軸が仕事になっているのは、否めないですが・・・

○御社のHPには、「病児、家事は一切されない」とうたっていらっしゃいますが、ベビーシッターをどのようなものだと定義されていますか?

「子育てのサポーター。対等な相手です。」

ベビーシッターを利用していて、病児、家事もやってほしいと思っていなかったそうです。
また、子ども目線、親目線として 病気のときくらい、子どものそばにいてあげられる社会が健全だと思っているのだとか。

確かに、子どもの病気のときには、そばにいてあげたいですよね。

「運営者目線としては、リスクを考えて、というところもありますが」
とみりかさん。
確かに、リスクがついてまわります。
特に病児は・・・

〇ちなみに、ファミサポとベビーシッターの両方を使われていらっしゃいましたが、何が違うと思われますか?

理想は、ファミサポさん。有償だけど、ボランティアというカタチです。
ファミサポさんって、本当に子どもが好きではないとできないと思いますし、子育て家庭をサポートしたいと思う人が多いので。
ベビーシッターは、保育のプロとして向き合うイメージです。」

あれもこれもやる、みたいな人を求めていないそうです。

素人っぽさが出てもいいから、人間くさいサービスがいいと思っています。
個性、顔がある、というか一個人として家庭と向き合う、のがいいかな。」

ルールは、画一的にしていないそうです。

確かに質を保つために、画一的なマニュアルは必要だけど、そうすると、その人らしさがなくなってしまうんですよね。
人間相手なので、その人のよさを出しつつ、ご家庭のカラーにも合わせていけるといいのかな、と思います。

まとめ

ベビーシッター会社を立ち上げる人って、保護者側の人が多いな~っと思っていました。
ですが、実際にユーザー目線で立ち上げられた経緯を伺え、とても勉強になりました。

ちなみに、私は、フリーランスのベビーシッターから、法人を設立し、移行したタイプの人間。
自分がユーザーだったらどんなサービスが欲しいか、という視点がないんです。

ですので、たくさんのママやパパたちとお話するなかで、何が必要なのか、そんな声に耳を傾けるようにしてきました。

ただ、人によって、ニーズは、違うんですよね。
100人いれば、100通り、という感じです。

ただ、なんとかその多様なニーズに寄り添いたい!
そんな想いで、会員制にし、顔が見える範囲で展開したいと今までやってきました。
ここが、私が会社を大きくしようと踏み切れない理由でもあるのですが・・・

今回のインタビューは、私自身、会社の今後について新たなステージを模索するいいきっかけになりました。

後編では、ベビーシッター会社を運営されている実際のお話を中心にお届け予定です。

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