保育の質が高いとは、どういうこと?
こんにちは。
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
先日、シッター仲間から「めっちゃ、この本いいですよ!」
とおすすめしてもらった本を読みました。
「漂流する待機児童たち」須貝 美香著
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この本が伝えたいこと
家庭的保育の良さを伝えている本です。
データもたくさん載っているので、とても説得力があります。
2015年の子ども・子育て新制度がスタートして、認可の保育形態となりました。
下記は、厚労省の「子ども・子育て支援新制度 なるほどBOOK(平成28年4月改訂版)」より抜粋したものです。
右下に、家庭的保育(保育ママ)とあります。
家庭的保育は、地域型保育の一つです。
家庭的な雰囲気のもとで、少人数(定員5人以下)を対象にきめ細やかな保育を行うものです。
ちなみに、対象年齢は、0-2歳です。
私も、このような少人数で、個々に合わせた保育スタイルは、すばらしいと思っています。
家庭的保育のことを知りたい方には、おすすめの一冊です。
保育の質が高いとは?
この本の中で、「保育の質」についても書かれていました。
保育の質が高いというのは、「継続的に子どもの成長発達を理解してサポートできる状態」です。
ポイントは、「継続的に」という点です。これは、必ずしも、一人の先生がすべて見なければならないということではありません。担任が変わっても、前の先生からきちんと引き継ぎができていれば、継続的なサポートが可能です。
なるほど。
確かに、「継続的に」できると、子どもの成長発達をより理解することができ、適切な関わりをすることができます。
ベビーシッターにおける保育の質とは?
認可のベビーシッター「居宅訪問型保育事業」は、継続的に毎日保育を行います。
個々に合わせたプログラムを立て、そこののその日の様子に合わせて保育します。
ですのが、この事業、今は、待機児童になった子が対象となっているため、認可保育園の空きが出ると、そこへ行ってしまいます。
それを考えると、お預かりしている間だけではなく、その後の園生活も考えて、きちんと次の先生に情報共有することが、いかに重要かがわかります。
一方、認可外(私的契約)のベビーシッターの場合、毎週1回、毎月数回と少なくても定期的に利用されるケースから、スポットで利用されることもあります。
回数が少なくても、定期的に利用される場合は、その子のことを理解しやすいため、より適切な関わりができます。
ただ、スポット利用の場合は、なかなか、その子の特性、発達段階をつかむことが難しいのが現状です。
ある意味、はじめまして、の場合は、保育の質を語る場合、「安全に子どもを保育する」ということが大半を占めるでしょう。
これは、あくまで最低限のことなので、質が高いとは、いいにくいかもしれません。
では、どうしたら、スポット利用のベビーシッターの保育の質を高めることができるのでしょうか。
それは、保護者からの事前のヒヤリングが肝になるのです。
普段の子どもの様子を聞くことで、ある程度、子どもの発達を理解することができます。
そうすることで、より適切な関わりをすることができるでしょう。
そう思うと、ベビーシッターは、保護者の協力なしには、保育の質を高めることは、難しいと言えるかもしれません。
共に子どもの成長を願うパートナー
私は、居宅訪問型保育者向け、家庭的保育者向けの研修をさせていただくことがあります。
そこで、いつもお伝えしていることは、
「保護者は、共に子どもの成長を願うパートナーだと思ってください」
ということです。
同じゴールがあるのですから、共に力を合わせていけるいい関係性を築いてください、ということです。
実は、これ、保護者の方にも思っていただきたいことなんです。
ベビーシッターだけではなく、子どもを預ける相手に対してです。
ぜひ、ささいなことでも、子どものことを共有していただきたいな、と思います。
それが、より子どもの気持ち、成長、その日の体調などに合わせた保育を行うことができるのです。
進化する保育のカタチ
今年の「保育所保育指針」をはじめ、幼稚園などの法令が同時に改定され、幼児教育で身につけたいことなどが文章で示されました。
それを身につけるためには、従来の保育のカタチでは限界があるのかもしれません。
今後、家庭的保育、居宅訪問型保育など、個々に合わせた保育スタイルが注目を浴びてくるのではないかと思っています。
そのためにも、居宅訪問型保育、ベビーシッターのすばらしさを伝え続けたいと思います!