【100人インタビュープロジェクトVol.17】有資格者100%のマッチングサイト キズナシッター
こんにちは。
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
100人インタビュープロジェクト17人目は、
有資格者100%のベビーシッターマッチングサイト
「キズナシッター」を運営されている
株式会社ネクストビート広報の百谷 伶奈(ひゃくや れいな)さん。
2018年1月17日にリリースされ、今では400名弱のシッターさんが活躍されているとのことです。(2019年3月19日現在)
国家資格の有資格者100%にされた理由など、いろいろお話を伺いました。
なぜ、マッチングサービスをリリースされたのですか?
「もともと、保育士さんの転職支援事業で創業いたしました。
転職支援サイト「保育士バンク!」は、現在、累計10万人の方が登録してくださっています。
その方々とお話しているなかで、復職したいけれど、フルタイムでは難しい、という理由等で保育園に戻れない方が多くいらっしゃることがわかりました。
そんな方たちに、新たなキャリアのご提案をしよう、というのが出発点でもあります。」
マッチングサイトが誕生したのは、保育士さん支援の一環だったのですね。
フルタイムでの勤務が求められているなか、出産、育児で保育園に戻りたいけれど、戻れない、という話は聞きます。
私も、ベビーシッターは、そういう方にとっては、育児も仕事も両立できる、すばらしい働き方だと思います。
保護者ニーズとシッターの働きやすさ、両方を実現するうえで大切にされていることは何ですか?
「ベビーシッターと保護者双方の安心安全への配慮が一番大事だと思っています。
その為に、①登録しているシッターさんの研修の実施、②初めてお預かりするお子さんの場合は事前に保護者さんとシッターさんの面談を実施、③シッターさんのレビュー機能を設置、④シッティング中のお子様の万が一の怪我や事故に備え保険加入を徹底しています。」
厚生労働省が「子どもの預かりサービスのマッチングサイトに係るガイドライン」というものを出しています。
ちなみに、厚生労働省から保護者向けに「ベビーシッターなどを利用するときの留意点」というものが出ています。
「当社の『キズナシッター』は、保育士・幼稚園教諭など国家資格の有資格者100%が特色であり、登録者全員「保育のプロ」です。ただ集団保育の経験があっても「個別保育」に関しては十分な経験がない方も中にはいらっしゃる為、初回の面談の際に、自宅に伺う個別保育ならではのレクチャーを行っています。シッターさんの口コミ・レビューは、一般公開されており、保護者の方に、納得して選んで頂けることも重視しています。」
国家資格の有資格者とは、保育士、保育士、幼稚園教諭、看護師かいずれかを持っている人のことです。
この資格を持っている、という方は「保育のプロ」ということです。
保育のプロのみ登録しているサイトということで、利用する保護者の方は、安心してもらいたかったそうです。
確かに、ベビーシッターは、資格も必要なく、誰でもできてしまいますので、有資格者というのは、安心ポイントだと思います。
個人的にすばらしいな、と思ったのは、有資格者であっても、初回の面談の際に研修を必須にされている点です。
それも、1対1というとても手厚いものだそうです。
保育のプロですので、個別保育で大切なこと。例えば、主にご自宅に入った場合のマナー、ご家庭のルールの大切さ、保護者に確認したほうがいいことなどを伝えていらっしゃるそうです。
私がベビーシッターをやっていて感じることは、ベビーシッターには、保育のスキル以外のことも多くを求められるということです。
居宅訪問型保育(いわゆる認可のベビーシッター)向けの研修も、保育士でも受講が必要となっています。
これは、個別保育ならではのスキルがある、ということの証明だと思っています。
初回の研修は、シッター経験者も必ず行うそうです。
その際、シッターとして働くうえでの不安点などをなくし、安心して働ける環境を作るよう心掛けていらっしゃるとのこと。
利用者にとっても、シッターにとっても安心だと思います。
ベビーシッターを利用する保護者の一番のハードルは、何だとお考えですか?
それに対して、どのような対策をされていますか?
「最初の1歩を踏み出せない方が多いです。
そこにある背景は、なんとなく不安というもののようです。
知らない人を家にあげる不安、知らない人に子どもを預ける不安や罪悪感などです。
それらを取り除く最たるものが、有資格者に限定していることです。」
一度、ご利用された方のリピート率が大変高いそうです。
不安を乗り越えて、利用された方が、ベビーシッターの良さを体感してくださったということでしょう。
本当に、ベビーシッターを使うことに不安を持たれることが多いです。
ですが、一度使うと良さを理解してもらえるケースが多いのも特徴です。
「なんで、もっと早く利用しなかったんだろう」
そんな声を聞くこともよくあります。
ぜひ、ひとりでも多くの方が、ベビーシッターの良さに気づき、うまく活用してもらえると嬉しいな、と思います。
安心安全を大切にされていらっしゃいますが、面接で採用時に一番重点をおいていらっしゃる項目は、何ですか?
「安心してまかせられるか、言語化できない部分を重視しています。
対面、遠方の方に関してはビデオ会議で面接をさせて頂いており、必ず、顔を見ながらお話させていただいております。有資格者であれば全員合格というわけではなく、一人ひとりお会いしてしっかり判断させて頂き、サービスの信頼性に貢献できればと思ってます。」
非言語な部分って、本当に大切だと思います。
話す内容もそうですが、話し方、表情などから伝わってくること、多いですよね。
有資格者ならだれでもOKではなく、きちんと厳しい面接をクリアされている方が登録されているのは、安心ですね。
働くシッターも、クリアできたことが、ある意味、自信にもなることでしょう。
マッチングサイトの特性上、何か問題が起きたときは、お互いで解決する、ということになると思います。
面接をして登録しているということですが、万が一の際、どこまで介入しようとお考えですか?
「原理原則は、個人間での解決となります。
ですが、解決が難しい場合は、事務局が間に入らせていただき、仲裁させいただきます。
保険適用となった場合も、保険会社とのやりとりにも、必要に応じてサポートに入らせていただきます。」
マッチングサービスであるものの、万が一には、間に入ってサポートしてくださるのは、ありがたいですね。
トラブルは、第3者が介入することで、解決しやすくなることもあるでしょう。
働くシッターとしては、トラブルが起きないように気を付けることは当然ですが、こういう気持ちでいてくださるサイトに登録していることは、安心感につながると思います。
これは、保護者もしかりでしょう。
マッチングサイトが増えてきている状況をどうとらえていますか?
「データなどの数字がどうかはわかりかねますが、個人的には、派遣型よりマッチングが増えている印象があります。
これは、市場ニーズが マッチングサイトに向いているのかなと思っています。
マッチングサイトは、広い選択肢があり、金額、レビューなどを多くの情報を見たうえで、選ぶことができます。
ここが、マッチングサイトが評価されている点だと思っています。」
確かに、マッチングサイトは、ベビーシッターを自分で選びたい方にとっては、便利だと思います。
自分で、コーディネートをしたいタイプの方は、マッチングサイトがいいでしょう。
一方、日時を伝えて、コーディネートしてほしいタイプの人は、派遣型がいいかもしれません。
どんなものもそうですが、自分のタイプ、ニーズをしっかり把握することが大切ということでしょう。
今後、ベビーシッター業界は、どのようになるとお考えですか?
業界を盛り上げるために、やりたいこと、検討されていることは、ございますか?
「最初の1歩を踏み出せない方に、試してみようかな、と思ってもらえるような実例を目にしてもらいたいと思っています。
ベビーシッター(保育のプロ)が自宅に来てくれることの心強さを伝えていきたいです。
単にお子さんを預かるだけではなく、お子さんの月齢ならではの関わりをもってくださったり、生活面での指導をしてくださったり、時には保護者の方の育児相談にのってくれることも。
シッター目線、保護者目線、それぞれでのシッティング体験談を発信したり、サービスの中身を見せる機会を増やしたいと思っています。」
私自身、実例を紹介していくことは、ベビーシッターをうまく活用して、育児をより楽しんでもらえることにつながると思っています。
この100人インタビュープロジェクトも、そんな想いもあり、始めました。
お忙しいなか、私の活動に賛同してくださり、インタビューを受けてくださったこと、感謝です!
「勤務スタイルの融通がきくことがよかったというシッターさんや、一人一人の子どもの気持ちやペースを尊重しながら行えることが嬉しいというシッターさんもいます。
家族全体のサポートをでき、長くお付き合いできる関係がいい、と言うシッターさんもいます。
こういうお言葉を聞いて、さらに、働き手のサポートもしていきたいと思っています。」
私も、働き手のベビーシッターが増えていくこと、安定して仕事をできることは、業界が成熟するためにも必要なことだと思います。
これからのベビーシッター業界の発展、ますます楽しみです。
まとめ
私自身、マッチングサイトを利用したことがありません。
登録して働いている人、利用している人の話を聞くことはありますが、マッチングサイトを運営されている立場でのお話は、とても貴重なものでした。
ベビーシッター業界が成熟し、本当に必要な人が安心安全に利用できる社会を作るためには、同業者それぞれの良さを認め、高め合っていくことが重要だと思うのです。
そういう意味で、キズナシッターさんのように100%有資格者と特徴を打ち出してくださることは、ミスマッチが起こりづらくなり、満足度が高められることでしょう。
ベビーシッターの良さを知ってもらいたい、保育士に新しいキャリアの提案をしたい、とお考えのキズナシッターさん、今後も業界を引っ張っていってくださることと思います。
私も何かでご一緒できるように力をつけてまいります!