子どもの最善の利益とは?
こんにちは。
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
ベビーシッターは、私的契約なので、保護者の意向に沿って保育、シッティングを行います。
一方、認可の保育事業は、「保育所保育指針」に則って保育を行います。
その「保育所保育指針」にも書かれている言葉が「子どもの最善の利益」です。
第1章 総則
1 保育所保育に関する基本原則
(1)保育所の役割
ア 保育所は、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第39条の規定に基づき、保育に欠ける子どもの保育を行い、その健全な心身の発達を図ることを目的とする児童福祉施設であり、入所する子どもの最善の利益を考慮し、その福祉を積極的に増進することに最もふさわしい生活の場でなければならない。 (保育所保育指針 平成29年告示)
子どもの最善の利益とは?
この言葉は、保育者向けの研修では必ず出てくる言葉です。
ですので、聞いたことがある方が多いのではないでしょうか?
ただ、具体的に何のこと?と聞かれたら、はっきり答えられる人は少ないのではないでしょうか?
「子どもの最善の利益」については、平成元年に国際連合が採択し、平成6年に日本政府が批准した児童の権利に関する条約(通称「子どもの権利条約」)の第3章第1項に定められています。子どもの権利を象徴する言葉として国際社会等でも広く浸透しており、保護者を含む大人の利益が優先されることへの牽制や、子どもの人権を尊重することの重要性を表しています。
(保育所保育指針解説 平成30年3月)
大人の利益が優先されない つまり、大人の都合で保育、シッティングしない、ということです。
大人の都合??
実は、保育していると、大人の都合による行動がとても多いと感じています。
ある意味、保育園など集団では、保育者の人数配置などで、限界があり・・・
ということも多々あります。
では、具体的にどんな関わりが不適切とされるのでしょうか?
まずは、子どもの権利条約を熟読しよう!
この条約、意外と知られていないんです。
ですが、積極的な市町村では、独自に「子どもの権利に関する条例」を制定しています。
条例のある市町村については、こちらをご覧ください。
この条例、実はとても複雑です。
私の子ども時代は、子どもの権利はなかった・・・?
40代の私は、この条例を読むと、子どもの頃、不適切な関わり、人権無視をされた対応をされていたんだな~と感じるのです。
小学生時代、テストの点数が80点以下だと竹のほうきで、おしりをぶたれることも・・・
ですが、その当時は、人権侵害だ!なんて思っていませんでした。
しょうがない、と思っていたと思うのです。
そうなんです!!
今の大人である私たちは、適切な関わりをされることが少なかったので、どれが適切な関わりかを見極めることがとても難しいのです。
今だに、「体罰は、善!」という方もいらっしゃいます。
つい先日観たテレビ番組でも、「ザワつく!一茂 良純 時々 ちさ子の会」でも、一茂さんが、100回言っても聞かない人には、一発なぐったほうが早い、とおっしゃっていました・・・
気づいたところから断ち切ろう!
人は、自分がされたようにしか人にすることができない、と言われることがあります。
その方法しか知らないからです。
知らないことは、できないのだと。
ですが、子どもに関わる人は、自分が育った環境を繰り返すだけではなく、よりよくしていくことを考えるといいでしょう。
ですので、自らの体験を振り返り、そのうえで、日々の子どもへの接し方を常に振り返ることをするべきでしょう。
そうすることで、悪循環が立ち切られるでしょう。
体罰がなくなることは、当然のこと、子どもの権利を尊重をした関わりをしていきたいと思います。
私自身、これは、どうなのだろうか?と考えてしまうことがあります。
子どもの声を聴いてみよう
正解が見つけにくい中で、子どもがどうしたいかを聞くことは、有効だと思うのです。
例えば、子どもの日記を勝手に見たとします。
これは、人権侵害でしょうか?
子どもにも秘密を持つ権利があるので、人権侵害だ!
という方もいます。
ですが、あるとき、9歳の女の子に
「お母さんに勝手に日記を見られたら、どう思う?」
と聞いたところ、「全然平気!」と言われました。
見られてもいい、とのことなのです。
お母さんが隣にいたので、本心かどうかは定かではありませんが、もしかすると、子どもによって、異なる部分もあるかましれません。
パワハラやセクハラに似た側面があるのかもしれません。
だとすると、子どもの反応を見て、これは適切なのかを考えるといいのではないかと思うのです。
また、言葉で表現してくれる月齢だと、どうしたらいいかな?と共に考えてみるといいでしょう。
無理やり大人の意見を通すのではなく、子どもがどうしたいかを言える環境を作る、これも人権の尊重でしょう。
まずは、不適切な関わりをしないことで、子どもの最善の利益を追求していければな、と思います。