子どもにとっての遊びとは?
こんにちは。
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
大人にとっての遊びとは、趣味を楽しむことだったり、リフレッシュすることだったりするでしょう。
では、子どもにとって、遊びとは、どのようなものなのでしょうか?
よく「子どもにとっての遊びとは、生活そのもの。」と表現されます。
大人の遊びとは、まったく別物だと考えたほうがわかりやすいかもしれません。
改めて考えて、まとめてみました。
遊ぶことは、あほみたいなこと?
「あそぶってあほみたいなことやめる。」
これは、2018年3月に目黒区で虐待によって亡くなった女の子が両親にあてて書いたメモに書かれていた言葉です。
なんとも、衝撃的な一節で、切なくなりました。
遊ぶことは、あほみたいなことなのでしょうか?
大人は、つい、未就学児の子どもに対して、文字が読める、計算ができる、四字熟語を知っているなど、勉強的なことができると「すごいね!」と思いがちです。
私も、そういうところがあります。
しかし、未就学児にとって、大人が望む勉強ができる、ということよりも、遊びの中で文字や数字など様々なものに興味を持ち、体験し、吸収していくことが望ましいことだと思います。
最近、ヘックマン教授の就学前教育の研究結果から、未就学児には、認知的能力よりも、非認知的能力を身につけることが重要だと言われるようになりました。
「認知的能力」とは、数がわかる、字が書けるなど、IQなどで測れる力のこと。
一方、「非認知的能力」IQなどで測れない内面の力のこと。
例えば、目標に向かって頑張る力、他の人とうまく関わる力、感情をコントロールする力などです。
では、この非認知能力は、どうやって身につけることができるのでしょうか?
主体的に遊ぶ
非認知的能力は、させられるのではなく、自分からやっていく中で育つ、と言われています。
子どもたちは、遊びこむ中で、やる気、意欲、粘り強さ、探求していく力などが身についていきます。
大人が、この遊びで遊ぶと決めてしまうのではなく、子どもの好奇心などに寄り添いながら、子どもたちがじっくり遊べる環境を作ることが、重要なのです。
夢中になって遊ぶ
子どもは、この遊びをしたから、このスキルが身に付く、そんなことを思って遊んでいませんよね。
楽しくて、おもしろいから夢中になって遊んでいるのです。
お人形に洋服を着せてあげたくて、何度もボタンをはめようとチャレンジしているうちに、自分のお洋服のボタンも上手にはめられるようになる、そんな姿を見たことがあるでしょう。
このように、この夢中になって遊ぶ、言い換えると遊びこむなかで、さまざまなスキルが身に付いてきます。
夢中になって遊ぶということが、とても大切なのです。
子どものいたずら
食事中、子どもが、マグを落としては、拾ってもらい、また落とす。
こんな光景を見たことはありませんか?
大人にとっては、何度も繰り返されると、やめて!と思ってしまいがちです。
ですが、子どもは、マグが落ちること、落ちたときの音を楽しんでいるかもしれません。
落としても拾ってくれる大人とのやりとりを楽しんでいるのかもしれません。
一見、いたずらに見えることですが、子どもは、物が落ちること、落としたらどうなるか、などを学んでいるのです。
子どもにとって、生活の中には、初めて目にすること、好奇心を刺激されること、体験することがたくさんあるのです。
興味を持って、いろいろ試すことも、遊びなのです。
このように、大人にとっての「いたずら」も、子どもにとっては大切な遊びであり、子どもは、そこから多くの発見をし、学んでいます。
そのことを理解することが、子どもの遊びをとらえるうえで、とても大切です。
まとめ
子どもにとって、遊びとは、生きる上での土台を作っている大切なものなのです。
大人の概念で、とらえてしまうと、子どもの可能性を小さなものにしてしまいかねません。
ぜひ、子どもたちが、自分の興味のある遊びをじっくり遊べるように関わってあげてください。