なぜ、ベビーシッターは、子どものお昼寝中に家事をやらないのか?
こんにちは。
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
よく質問されることがあります。
それは、
「子どもがお昼寝中は、何をやっているんですか?」
確かにママたちにとって、子どものお昼寝中は、家事をできるグッドタイミング!
ですが、家事もないシッターは、何をやっているのか??
確かに気になるところですよね。
お昼寝中にやっていること
大きくわけて3つあります。
1.呼吸チェックおよび観察
保育園では、通常0歳児5分おき、1-2歳児10分おきに呼吸チェックを行います。
これは、乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防と睡眠中の事故防止対策のためです。
□ 午睡(睡眠)時チェックをきめ細やかに行い、記録する
・必ず1人1人チェックし、その都度記録しましょう。
・0歳児は5分に1回、1~2歳児は 10 分に1回が望ましい間隔です。
・預けはじめの時期は特に注意してチェックしましょう。
・体調不良等いつもと違う様子の際は特に注意してチェックしましょう。
・人任せにしないよう、チェックする担当を明確にしましょう。(乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防及び睡眠中の事故防止 より抜粋)
また、呼吸以外にも、顔色や寝息など寝ているときの状態も観察しているのです。
2.保育記録の記入
ベビーシッターは、その日の様子を細かくノートなどに記入します。
子どもと遊んでいるときは、しっかり遊び、お昼寝中にノートに記載をしているのです。
3.環境整備
おもちゃを片付けたり、机の整理をしたり、哺乳瓶を洗ったり・・・
その後の保育する環境を整えることをしています。
子どもが食べ終えた食器などを洗うこともあります。
ただし、勝手に洗うことはありません。(洗剤、スポンジなど間違えてはいけないため)
4.保育内容研究およびスキルアップ
ベビーシッターの場合、子どもの隣でずっと見ていられます。
ですので、そばにいながら、その子とする遊びの研究をしたり、準備をしたりします。
また、保育スキル向上のために、本を読むこともあります。
大切な時間を子どもたちに還元できる有意義なものにしたいと思っています。
5.番外編
自分の仕事をしている人もいるそうです。(保護者公認で)
なぜ、お昼寝中に家事をやらないの?
お昼寝中にも、いろいろやることがあることをご理解いただけたかと思います。
ただ、やっぱり寝ている間、家事をしてほしい!という方もいらっしゃるでしょう。
個人的には、呼吸チェックなどに支障がない範囲であれば、してもいいかな、と思いますが、いち早く異変に気づくためにも、見える場所で寝ていて欲しいと思っています。
ですので、月齢が高い場合で、家事をしながら見えるのであれば、お引き受けすることもあります。
例えば、食器洗い、洗濯をたたむ、など。
がっつりお風呂掃除は、子どもが見えなくなるので、怖くてできません・・・
それは、ベビーシッターという仕事が子どもの命を守る役割があるからです。
タクシーの運転手さんが、電話しながら運転していたら、ドキドキしませんか?
以前、白タクに乗らざるおえないことがあった際、ずっとスマホを触りながら、いろいろな人と電話していて、ヒヤヒヤしたことがあります。
タクシー運転手とベビーシッターの違いは、その行動が命に直結することかどうか、という点ではないでしょうか?
親がやっているのと同じことをやって、子どもが亡くなるとは想像しにくいからでしょう。
万が一、子どもがシッターに預けている間に亡くなったら??
ですが、万が一に、呼吸が止まってしまったのに、家事をしていて気づかず、亡くなってしまったとします。
どうでしょう??
我が子が預けている間に亡くなって、ベビーシッターを責めない人がいるでしょうか?
しょうがない、と思えますか?
親族であれば、しょうがない、と思える可能性はあるでしょう。
ですが、他人です。
それも、仕事としてお金を払ってお願いしていた相手です。
そう、ベビーシッターは、訴えられるリスクと隣り合わせなのです。
訴えられなかったとしても、自分がお預かりしている間に亡くなったということは、ショックな出来事として、一生苦しむことになります。
考えすぎでは?
考えすぎでは??と思った方もいらっしゃるでしょう。
海外では、家事、育児全般を引き受けてくれるナニーさんが存在します。
いわゆる家事・育児代行業です。
日本でも、フィリピンの方などをナニーさんとして雇い、家事、子どもお世話をしてもらっている人がいます。
個人的には、海外において、家事、育児全般をお願いした場合の事故、トラブル件数、事例などが気になるところです。
こういうことを検証していくことで、日本でのベビーシッターのあり方も考えられるといいな、と思います。
ベビーシッターが家事を行う時代が来るのか?
うーん。
日本におけるベビーシッターは、家事をやる時代が来ることが想像しにくいのが現状です。
ちなみに、幼児教育無償化では、ベビーシッターも対象になっています。
ということは、日本において、ベビーシッターは保育園、幼稚園などにならぶ幼児教育の一つなんです。
それは、片手間に子どもを見ているだけでは、いけない、ということです。
幼児教育無償化に伴い、ベビーシッターの監督基準が設けられることになるでしょう。
そこで、家事について記載がされるのかが、注目ポイントです。
ちなみに、東京都のベビーシッター代補助事業においては、家事はしてはいけないことになっています。
もし、子どもを見ながら、家事もする人を望むのであれば、新たな職種を作ったほうがいいのではないかな、と思います。
このあたり、今後も調べたり、勉強したりしたいと思います。