ベビーシッターとウェブカメラ
ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。
最近、保育現場にウェブカメラが導入されている事例をよく耳にします。
導入理由は、いろいろのようです。
一つめは、保護者に安心してもらうため。
いつでも子どもの様子が見られる、というのを売りにしているところもあります。
二つめは、保育者を守るため。
いわゆる認可のベビーシッター 居宅訪問型事業においても、ウェブカメラを設置しているケースがあることを聞きます。
ベビーシッターの視点から、二つめに着目してみたいと思います。
密室という環境におけるベビーシッターのリスク
以前、ベビーシッターに盗難にあった芸能人の話がありました。
きっと、そんな人がいると怖いよね。
そう思う方が多いと思うんです。
ですが、ベビーシッターにとっては、盗んでもいないのに、疑いを持たれることのほうが怖いのです。
盗難だけでなく、虐待もしかりです。
私も、10年以上いろいろなお宅に伺いますが、高価なものは、シッティングをしない部屋において!と思います。
今までで一番怖かったのは、
バーキンの中に100万円の札束が入っていて、口が開いていたこと。
きっと親御さんは、安心されているのだと思うのですが、ドキドキしました。
一人という労働環境におけるリスク
子育てにおいて、親ひとり、子どもひとり、というのはごく自然なことです。
私がやれて、あなたにできないはずはない。
そんな風に思われることもあります。
ですが、ベビーシッターにしてみたら、そのご自宅に一人で子どもの命を預かるのです。
自分が急に心筋梗塞になって、倒れたら・・・
誰にも気づかれることがないのです。
自分の命ももちろん、預かっている子どもの命も危険にさらされます。
(子どもが大きくて、対処できればまた違いますが)
子どもが突然呼吸困難になって、一人で救急車を呼ばなくてはならなくなったら・・・
電話をして、離れてインターホンの開錠ボタンを押さなくてはならないのです。
これは、子どもから目を離さなくてはならない、ということになります。
ベビーシッターにとって、これが怖いのです。
誰かに見られている安心感
こう考えると誰かに見られていることが、どれだけ安心なことかがわかるでしょう。
保育者の中にも、カメラをつけられることで信用されていない、と感じる人もいます。
ですが、ベビーシッターも、ウェブカメラがあることが安心した労働環境になる、ということも考えられるのです。
ウェブカメラは普及するのか?
ウェブカメラも、だんだん安くなってきています。
ですが、設置するのは、誰なのか?という問題があります。
保護者が設置するケースもあるようですが、事業者が設置するケースもあるようです。
カメラの映像を保護者のみが見る場合も、事業者のみが見る場合もあるようです。
何を持って設置するのか、その意図、目的によって異なるのでしょう。
個人的には、ベビーシッターは、密室ということで懸念を抱く人が多いということを考えても、
ウェブカメラが今後普及していくと思います。
ただ、長時間のシッティングの際、ずっと見られていると感じることはストレスになります。
まるで、スケルトンハウスで生活するような。
そういうことを全部洗いざらいに考えていくことが大切なのでしょう。