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2018-06-08

悲しい事件を防ぐためにベビーシッターができること

ベビーシッター・個別訪問型保育研究家の参納(さんのう)です。

昨日報道された目黒区での5歳の女の子結愛(ゆあ)ちゃんの事件。

もうおねがいゆるして ゆるしてください おねがいします

(ゆあちゃんのメモ)

この文章が、とても切なくて・・・

なんともやるせない気持ちです。

 

フェイスブックでも、いろいろな方がいろいろな視点でご意見、どうしたら防げるのかを書かれていました。

私も、悲しすぎて、直視できないのですが、

ベビーシッターにできることはないのか?

と考えてみました。

家庭に一番近い保育者

ベビーシッターなど訪問保育を行う人たちは、家庭に入らせていただきます。

家庭の様子が手に取るようにわかります。

生活の場から読み取れることは、本当にたくさんあります。

そういう意味では、いち早くSOSに気づくことができるのではないかと思うのです。

そう考えると、ヘルプが欲しい状況の方が、利用したいと思った時に、利用できるといいのではないか、と思うのです。

隠したくて仕方ない人もいるかもしれません。

ですが、段階が初期であれば、頼むという選択肢もとれるでしょう。

また、もっと育児を第3者に頼っていいよ、という風潮を作っていければと思うのです。

 

事例1

以前、とある訪問保育をされている方から聞いた話です。

伺ったお宅の保護者が虐待で逮捕された、というのです。

伺ったときから、着替えを一切させないでほしい、という要望があり、違和感を覚えたそうです。

ですが、何か気になるな、と思いながらも、それを共有する人がいなかったので、そのままになっていたそうです。

そして、その後逮捕されたという事実を聞いたとのこと。

彼女は、まさか身近でそんなことが起こるなんて、と驚きとショックを受けたそうです。

事例2

行政が行っている養育困難家庭などへの訪問保育を行っていた方から聞いた話です。

伺っていたお宅のママのメンタルが不安定で、自殺願望があったそうです。

子どもを道連れに自殺してしまわないか、ヒヤヒヤしたそうです。

彼女は、そのお宅へ行き、精一杯のことをしたけれど、自分のメンタルも辛かったとのことでした。

ふたつの事例から見えること

ベビーシッター=富裕層が使うもの、と思われます。

富裕層=虐待と無縁、と思っている方が多いようです。

ですが、実際、ベビーシッターという名称ではなくても、同様の訪問保育の現場で、虐待を身近に感じる事例があるのです。

虐待をもっと知ろう

ベビーシッターなど訪問保育を行う人は、虐待について、もっと身近にあることとして、知ることが大切です。

それを知ることで、より早く気づくことができるでしょう。

虐待は、子どもにとって不利益なことです。

親にとっては、どうしようもない何かのはけ口になっている可能性もあります。

虐待をする親が悪い、と責めるのではなく、SOSだと捉えていく視点を持つことも大切ではないでしょうか。

専門機関について知ろう

虐待かも、と思ったとき、いきなり189に電話をすることを躊躇する方も多いと思います。

躊躇する必要はないのですが、電話をかけた人がわかって、その関係が悪くなるケースや、電話された親が不快な思いをして、さらに事態が悪化するケールもあるようです。

ですので、まず、相談できる場所を見つけておくことが大切なのではないでしょうか?

また、手に負えない状況に遭遇したら、自分でなんとかするのではなく、専門機関につなぐことができるパイプを持つことも大切でしょう。

そうすることで、訪問しているシッターも、そのご家族も守ることができると思うのです。

今、私がやりたいこと

ずばり、「こどもの権利条約」について、大人と子どもと一緒に考えること。

虐待にいたらなくても、大人は、何気なく子どもの人権を侵害していることが多いと感じています。

ですが、大人である私たちもされてきたことは、虐待ではなく「しつけ」と認識していることもあります。

また、「子どものためを思って」「子どもを守る責任がある」という言葉をつけることで、無意識に人権侵害をしていることが多いようにも思います。

この無意識というのが、とてもやっかいです。

悪いことをしているという認識がないことも、やっかいです。

子どもは、大人の所有物ではないのです。

子どもに関わるすべての人が、何が人権侵害なのか、立ち止まって考えることは、とても重要なのではないでしょうか?

まずは、保育者の間で、考える機会を持ちたいと思っています。

 

 

 

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